成年後見制度Q&A(Part4)

16.司法書士へ申立書類の作成を依頼する場合、費用はいくらかかりますか。

一般的に、申立報酬で金10万円(税別)程度のところが多いようです。
その他に一般的に実費が約1万円程度かかります。

 

※ 費用については、各事務所によって違いますので参考程度にご覧ください。
  おおよそ10万円~15万円くらいが相場と言われています。
  (弁護士に申立代理で依頼する場合は、また異なると思いますので、ご確認ください)

 

17.司法書士へ成年後見人を依頼する場合、費用はいくらかかりますか。

成年後見人の報酬は、裁判所が決めますので、「月○円です。」とお伝えすることは出来ません。

しかし、平成25年1月1日付けで東京家庭裁判所立川支部から「成年後見人等の報酬額のめやす」によると下記のとおりとなりますので、参考にしてください。

 

1 基本報酬
(1) 成年後見人,保佐人,補助人
 成年後見人が,通常の後見事務を行った場合の報酬(これを「基本報酬」と呼びます。)のめやすとなる額は,月額2万円です。
管理財産額が1000万円を超え5000万円以下の場合には基本報酬額を月額3万円~4万円,管理財産額が5000万円を超える場合には基本報酬額を月額5万円~6万円とします。

(2) 成年後見監督人,保佐監督人,補助監督人,任意後見監督人
 成年後見監督人が,通常の後見監督事務を行った場合の報酬(基本報酬)のめやすとなる額は,管理財産額が5000万円以下の場合には月額1万円~2万円,管理財産額が5000万円を超える場合には月額2万5000円~3万円とします。

 

2 付加報酬
 成年後見人等の後見等事務において,身上監護等に特別困難な事情があった場合には,上記基本報酬額の50パーセントの範囲内で相当額の報酬を付加するものとします。
 また,成年後見人等が,例えば,報酬付与申立事情説明書に記載されているような特別の行為をした場合には,相当額の報酬を付加することがあります。

 

18.本人と相談者が異なる場合の注意点は何ですか

法定後見の相談を受ける場合、本人と相談者が異なる事が一般的です。

相談者は、具体的な問題を抱えて相談をするのですが、相談者が望む解決策が本人に望ましいものであるとは限りません。

 

例えば、本人の預貯金を親族が下ろそうとしたところ、金融機関に「後見人をつけないと下ろせない」と言われた場合を考えます。

本人の預貯金を下ろし、使用する理由が本人の為であれば良いですが、自分の生活費のために下ろそうと考えている場合は、成年後見人がついてもその希望を叶えることは出来ません。

 

成年後見制度は、判断能力の不十分な本人の守るための制度です。

親族や関係者の利益を守る制度ではないことを注意しましょう。

 

19.成年後見制度のメリット・デメリットを教えてください。

メリット

 ① 後見人による適切な財産管理・契約行為が期待できる。
 ② 消費者被害の危険が減少する。      
 ③ 後見人により本人の生活・療養看護について本人の保護が図れる。

 

デメリット

 ① 本人の財産管理権が制限される。
 ② 資格制限がある。(医師、弁護士、司法書士、会社役員などになれない)     
 ③ 裁判所の監督下になり、定期的な報告が必要。
 ④ 本人の財産について積極的な運用や売却が制限される。

 

20.後見人の出来ること・出来ないことは何ですか

後見人のできること = 法律行為

・財産管理 ~ 預金・不動産・金融資産の管理、収支の管理

・身上監護 ~ 介護・生活維持・住居・医療に関する契約・支払い等

 

後見人のできないこと = 事実行為、一身専属的な行為
  ~ 現実の介護行為、本人の意思に反する医療的侵襲、施設等への強制入所
    医療行為の同意、身元引受、身元保証など