ゆうちょ銀行の預金の相続手続きの流れ

ゆうちょ銀行の貯金の相続手続は、他の銀行と手続が多少異なる点があります。

一番大きな相違点は、相続手続は、貯金事務センターが一括して行う為、各支店の窓口では、手続きの取り次ぎまでしか出来ないという点です。

しかし、貯金残高が60万円未満の場合には、一定の条件がありますが、支店での扱いが可能で、書類さえ整っていれば、1回の来店で全て完了します。

ゆうちょ銀行の貯金の相続手続きの流れ

1.口座の名義人がお亡くなりになった場合、まず相続確認表を提出します。

※この時、他の銀行の場合、氏名・生年月日を伝えると、他の口座の名寄せを行ってくれる場合もありますが、ゆうちょ銀行の場合、支店での名寄せは出来ないと断られてしまいます。
被相続人の口座等が不明な場合は、残高証明を取得する事により、口座を調査する事が必要となります。

ゆうちょ銀行のHP上でダウンロードした相続確認表を持参すると、窓口で追記させられる箇所がある為、時間にゆとりがある方は、ゆうちょ銀行の窓口で相続確認表を受け取った方が良いかも知れません。
(当事務所では、いつも、ゆうちょ銀行の窓口で相続確認表を受け取っております。)

 

2.貯金事務センターから書類が送られてきますので、各書類に記入・押印をします。

ゆうちょ銀行の貯金の相続手続については、大きく分けて次の2つの方法があります。

【払戻し手続】

貯金を解約して、現金(振込)によって支払を受ける手続
※以前は、払戻証書(小切手の様なもの)の対応のみでしたが、現在は、指定の口座への振込が可能になり、大分便利になりました。

【名義変更手続き】 

貯金の名義人を、被相続人から相続人に変更する手続
※主に定期貯金等で利率が高く払戻を行うのが損となるケースで名義変更を行います。

払戻と名義変更は、全く異なる手続ですので、どちらの手続きをとるのか、予め検討が必要です。必要書類も少し異なりますので、注意が必要です。

 

3.必要書類を提出し、払戻し・名義変更手続きを行います。

ゆうちょ銀行の貯金の払戻手続の場合、次の書類が必要となります。

・相続請求書(相続人全員の署名・実印で押印)
・その他貯金事務センターから送られた書類
・被相続人の出生から死亡までの戸籍
 ※ゆうちょ銀行の場合、厳密には、出生までの戸籍は求められません。
・相続人全員の戸籍
・相続人全員の印鑑証明書(3か月以内)
・被相続人の通帳及びカード
・相続人代表者の通帳
・相続人代表者の実印
・相続人代表者の免許証等本人確認書類

ゆうちょ銀行の貯金の名義変更の場合、次の書類が必要となります。

・遺産分割協議書(相続人全員の署名・実印で押印)
・相続請求書
・その他貯金事務センターから送られた書類
・被相続人の出生から死亡までの戸籍
 ※ゆうちょ銀行の場合、厳密には、出生までの戸籍は求められません。
・相続人全員の戸籍
・相続人全員の印鑑証明書(3か月以内)
・被相続人の通帳及びカード
・名義変更を受ける相続人の実印及び銀行印
・名義変更を受ける相続人の免許証等本人確認書類

※ゆうちょ銀行の場合、貯金事務センターが一括して手続を行う為、貯金事務センターと皆様のやりとりについては、支店の担当者は、基本的には分かりません。
ですので、貯金事務センターから送られてきた書類を自分の判断で一部抜き取って支店に持参すると、支店の担当者が困る場合もあります。
貯金事務センターへの返信用封筒まで、所定のものが定められておりますので、貯金事務センターから送付を受けた書類は、全て失くさない様にして下さい。

なお、当事務所では金融機関の名義変更もサポートしておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。